示談交渉には期限がある
タイトルの通り、示談交渉には期限があります。厳密に説明すると、示談自体に期限の制限はありませんが、損害賠償請求自体に期限の制限が設けられており、これを消滅時効と言います。
当ページでは損害賠償請求における消滅時効について詳しく説明をしていきます。
◆消滅時効とは
消滅時効とは、行使できる権利を一定期間行使しなかった場合に、権利そのものが消滅するという制度です。この一定の期間というものは状況によって変わってくるため、わかりやすく解説をしたいと思います。
まず、物損事故のように人が怪我をしていないような事故である場合には、事故日の翌日から3年以内に損害賠償請求をする必要があります。
そして、人身事故や死亡事故のような怪我や死亡結果が発生している場合には5年以内に請求をする必要があります。
人身事故で傷害のみの場合には事故日の翌日から、後遺障害がある場合には症状固定日の翌日から計算をします。
死亡事故の場合には、死亡日の翌日から計算することになります。
また、当て逃げ事故やひき逃げ事故のように加害者が不明の場合には、事故の翌日から20年以内に権利行使をする必要があります。
加害者の特定が必要となるため、非常に長い期間が設けられています。
ただし、途中で加害者が判明した場合には、加害者がわかった日から、物損事故は3年、人身事故・死亡事故であれば5年以内に権利行使をする必要があります。
◆示談交渉は消滅時効の満了までに終わる?
示談交渉にかかる期間は、物損事故や後遺症のない人身事故であれば2ヶ月から半年程度、後遺障害の残った人身事故や死亡事故の場合は半年から1年程度であることが多くなっています。
示談交渉をするための準備を進めている期間や示談交渉自体をしている間も、時効の期間は進んでいます。
しかしながら交渉中に消滅時効の期間を満了してしまったとしても、加害者がその後に損害賠償請求を認めれば、時効が更新されたとみなされるため、賠償金を受け取ることは可能です。
◆示談交渉が長引くパターン
示談交渉が長引くケースとしては
・加害者が任意保険に加入していない
・両者が主張する示談金に大きな差がある
・交通事故発生時の状況について、被害者と加害者の主張に食い違いがある
といったものが挙げられます。
また、治療が長引いているような時や、後遺障害の認定が長引いている場合には、なかなか示談を始めることができず、消滅時効の期間を消費してしまうことになります。
後遺障害の審査については1〜3ヶ月ほどかかり、さらに最終的な結果が出るまでには数ヶ月から数年かかる可能性も十分に考えられます。
しかし数年もかかるような場合とは、高次脳機能障害のような非常に重大な後遺症が残ってしまったような場合のみです。
このように治療等が長引いている場合には、あらかじめ弁護士に依頼をしておくことで、その後の手続きや交渉などをスムーズに進められるため、おすすめの方法といえます。
◆保険会社への保険金請求
上記は加害者に対する損害賠償請求権の消滅時効についてです。
ここで注意しなければならないのが、保険会社に対する保険金請求は人身事故や死亡事故であっても3年となっています。
さくらレーベル法律事務所では、刑事事件を中心に業務を取り扱っております。刑事事件以外にも示談交渉や債務整理、男女トラブルといったような業務にも対応しております。
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