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【弁護士が解説】強盗未遂で逮捕された場合の量刑とは

強盗は重大な犯罪のひとつですが、強盗未遂もまた、場合によっては実刑になる可能性が十分にある犯罪行為です。

この記事では、強盗未遂で逮捕された場合の量刑について解説します。

強盗未遂とは

強盗は、暴行や脅迫によって他人の金品を奪う犯罪です。

強盗罪と恐喝罪の違いには、暴行と脅迫の程度が大きく関わります。

暴行や脅迫が被害者の反抗を抑圧する程度であれば強盗罪、抑圧する程度に至らない軽度な暴行や脅迫は恐喝罪に該当します。

また、暴行や脅迫に該当する行為を行っても、相手の抵抗があって金品を奪えなかったり相手が金品を保有しておらず何も奪えなかったりした場合には、強盗罪は成立せず未遂になります。

強盗罪においては、金品を奪う目的で脅迫や暴行を開始した時点で犯罪に着手したとみなされ、未遂かどうかに関わらず、罪に問われる可能性があります。

たとえば、コンビニ強盗の場合、店舗で店員に刃物を突き付け、「金を出せ」と脅した時点で強盗に着手したとみなされ、金品を奪えなかった場合には、強盗未遂となります。

強盗未遂に科される刑罰と量刑

強盗罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。

未遂を罰する規定のある犯罪においては、たとえ犯罪が未遂であっても実際に強盗が成立した場合と同じ刑罰が科せられる可能性があります。

ただし、刑法第43条には「未遂犯の処罰」という項目があり、その犯罪が未遂である場合には状況によって軽減されることもあります。

さらに、自己の意思によって犯罪をやめた場合には特に評価され、反省や更生の余地が考慮されます。

裁判例に見る実際の量刑傾向

過去の裁判例をみると、実際の量刑には以下のような傾向があります。

 

  • 初犯で示談が成立、反省の態度が認められた場合懲役3年・執行猶予5

(平成16年(わ)324号 強盗未遂・傷害 大阪地方裁判所堺支部) 

 

  • 前科があり、共犯で計画的犯行の場合懲役66か月の実刑

(令和3年(わ)123号 強盗致傷 東京地方裁判所)

 

  • 暴行による負傷があった場合懲役年の実刑

(令和5年(わ)60号 強盗殺人未遂 前橋地方裁判所)

 

ただし、これは一例であり、量刑はさまざまな事情が考慮された上で、裁判官が決定します。

まとめ

強盗罪は未遂であっても重い刑罰が科される可能性があり、状況によっては実刑となる場合もあります。

事件の背景や被害者との関係、反省の態度などによって量刑は大きく変わります。

適切な対応をとることで、その後の見通しが大きく変わる可能性があるため、少しでも早い段階で専門家である弁護士に相談することが大切です。

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櫻井 唯人Yuito Sakurai

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