傷害罪の構成要件とは?時効や刑罰も併せて解説
傷害罪は他人を暴行してケガさせた時の罪と何となく理解している方も多いでしょう。
しかし具体的に何をしたら傷害罪になるのかはあまり知られていないかもしれません。
今回は傷害罪の構成要件について解説します。
傷害罪の構成要件
傷害罪は以下の要素を満たさないと成立しません。
- 傷害行為の存在
- 他人の肉体を傷害させた
- 1と2の間に因果関係がある
具体的に何がどうなると傷害罪が成立するか、以下で詳しく見ていきます。
傷害行為の存在
法律的には「有形力の行使」を傷害行為と呼びます。
たとえば人を殴ったり蹴ったりすることです。
ただし無形力の行使に関しても傷害罪を成立させる場合もあります。
過去の事例として、性病にかかっていて性交で他人を感染させたり、無言電話を繰り返して精神衰弱症にしたりした場合が挙げられます。(最高裁昭和27年6月6日)
他人の肉体を傷害させた
相手がけがしてしまうことです。
基本的には外傷を指しますが、例外もあります。
睡眠障害や意識障害など生理的機能を侵害した場合も傷害罪の成立する可能性があります。
相手をけがさせようと思って暴行を働いたかどうかも傷害罪が成立するかどうかのポイントです。
ただし傷害罪の場合、暴行の意志があれば傷害罪は成立すると考えられます。
1と2の間に因果関係がある
先の2つの要件の間に因果関係があるかも傷害罪の成立要件の一つです。
相手を殴ってけがさせれば、両者の間には因果関係があるので傷害罪が成り立ちます。
ただし1.と2.の間に因果関係があったかどうか、客観的に立証するのは現実問題困難です。
そこで一般的には暴行の程度によって、傷害行為があったかどうかか判断する形になります。
傷害罪の刑罰と時効について
傷害罪の刑罰と時効はどのようになっているか、以下で簡単に紹介します。
刑罰について
傷害罪は15年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金です。
似たような犯罪に暴行罪があります。
暴行罪は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料なので、かなり重いことがわかるでしょう。
時効について
傷害罪の公訴時効期間は10年です。
つまり傷害の発生した日から10年経過すると、傷害罪による処罰はなくなります。
まとめ
傷害罪の構成要件について見てきました。
故意に暴行を働き、その結果相手がけがをすれば傷害罪が成立します。
ただし暴行といっても、有形力の行使でなくても罪の成立する可能性がある点にも留意したほうがいいでしょう。
もし傷害罪を疑われた場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。
法の専門家として、今後どう対処すればいいか助言してくれるからです。
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