犯罪被害給付制度とは
犯罪被害給付制度とは、殺人などの故意になされた犯罪により亡くなられてしまった犯罪被害者の遺族や重傷病若しくは障害という重大な被害を受けた犯罪被害者の方に対し、国が犯罪被害者等給付金として一時金を支給することで、犯罪被害を早期に軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援する制度のことをいいます。
犯罪被害者であれば、加害者に対して損害賠償請求をするなどして、その被害の回復を図ることができますが、加害者に資力がない場合や、そもそも加害者が特定できない場合などには、十分な補償を加害者から受けることができません。そのため、犯罪被害者を公的に支援する制度が、この犯罪被害給付制度なのです。
この制度には、犯罪被害にあわれた方の第一順位の相続人が受け取ることができる遺族給付金と、犯罪被害にあわれた方本人が受け取ることができる重傷病給付金、障害給付金の3種類があります。
その支給額については、遺族給付金の場合には犯罪被害にあわれた方の収入や生計維持関係遺族の人数から算出されます。重症病給付金の場合には負傷や質病から3年間における医療費、そして休業損害考慮して算出され、障害給付金の場合には犯罪被害にあわれた方の収入と残った傷害の程度に応じて算出されます。
この犯罪被害給付制度の給付を受けることができる人としては、日本国籍を有する人または日本国内に住所を有する人となります。また外国籍であっても、被害の原因となった犯罪を受けた当時に日本国内に住所を有していれば、支給を受けることができます。
犯罪被害給付金の申請や請求の流れとしては、犯罪被害の発生後、支給の対象となる事由(被害者の方の死亡、重症や障害の発生)が生じてから申請、請求ができるようになります。そして各給付金に必要な書類を揃え、警察署や警察本部に申請を行います。申請がなされると、申請者の住所地を管轄する公安委員会が調査を行い、支給するか否かの裁定を行います。支給を決定する旨の裁定が下されれば、通知がなされ、実際に給付金を請求し、給付金を受領するという流れになります。
この制度では支給の対象となる事由が発生したことを知った日から2年間、または支給の対象となる事由が発生した日から7年間が経過すると、やむをない理由がない限りは申請することができなくなってしまうため、注意が必要となります。
犯罪被害給付金を受けようとする場合には、弁護士に相談することができます。弁護士であれば、申請に必要な書類を用意し、実際に申請を行うという煩雑な手続きを代行してもらうことができます。
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